ドライブレコーダーに搭載されている記録装置は、多くの場合microSDカードが採用されています。ドライブレコーダーは車のダッシュボードやフロントガラス、ルームミラーに設置するケースが殆どであり、これらの設置場所は直射日光が当たる場所でもあります。
夏場は直射日光によりドライブレコーダー内部およびmicroSDカードの温度が上昇し、microSDカードの動作温度を上回ることによる故障が頻発します。それにより記録されていたデータが失われる可能性があります。
ドライブレコーダー搭載のmicroSDカードのデータ消失を防ぐため、以下の対策を採られることをお勧めします。
保存しておきたいデータは速やかにバックアップをとられることをおすすめします。バックアップがあれば、万一microSDカードが故障してもデータ消失による問題は発生しません。
microSDカードには様々なタイプがあり、用途によって最適なものを選ぶ必要があります。ドライブレコーダーは常にデータの書き込みが行われるため、書き込み・書き換えに強いmicroSDカードを選択する必要があります。ドライブレコーダーに最適なmicroSDカードの選ぶポイントは以下の通りです。
microSDカードはフラッシュメモリであり、メモリには複数の記録方式があります。一般的なmicroSDには「TLC」と「MLC」方式があります。TLC(トリプルレベルセル)は1つのメモリセル(記憶素子)に3bitのデータを記録するものであり、MLC(マルチレベルセル)は1つのメモリセルに2bitのデータを記録します。
メモリセルは書き込みごとに劣化するため、耐用書き込み回数が定められており、TLCは概ね1000~3000回程度、MLCは10000回程度となります。セルあたりの書き込みデータ数が少ないほど、メモリセルに対する負荷が少なくなるため、TLCよりもMLCの方が耐久度は上がります。
常時動画を記録し、古いものから上書きしていくドライブレコーダーにとって、TLCタイプよりMLCタイプのmicroSDが最適です。書き込み速度が優れていても(クラス10など)耐久性を見落としがちなので注意が必要です。一方、MLCタイプはTLCタイプより製造コストがかかるため、安価なmicroSDカードは殆どがTLCタイプとなっています。
ドライブレコーダーは主にダッシュボードやルームミラーに設置されますが、これらの場所は直射日光が当たりやすく、ドライブレコーダーおよびmicroSDカードは高温になります。気温以上の温度となるため、高温による故障が頻発します。microSDの中には耐温度性を持つモデルがあるため、夏場を考慮して動作耐用温度の高いモデルを使用することをおすすめします。
太陽光には微量ですがX線(放射線)が含まれます。放射線はフラッシュメモリにデータ消失やメモリダメージなどの悪影響を及ぼすため、耐X線仕様のmicroSDカードを使用されることをおすめします。
万一、ドライブレコーダーのmicroSDが認識されなくなったり、保存していたはずのデータが消失・破損した場合は速やかに弊社技術担当まで御連絡ください。大切なのは、慌てずにmicroSDカードを抜き出し、一切の操作をせずに速やかに対処することです。
認識されなくなったものを何度も読み込もうとしたり、通電することによって障害が悪化し、データ救出が困難となる場合があります。適切な初期対応がデータ復旧の成功率を高めます。