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容量偽装メディアに注意|データ復旧が不可能な可能性

容量偽装詐欺メディア

容量偽装のメディアを使用したことでデータが消えてしまったり、破損したというデータ復旧相談が昨今多く寄せられています。容量偽装メディアとは「説明書には64GBと書いているのに実際容量は8GB」など、容量記載を偽装している詐欺商品のことです。

容量偽装メディアは主にmicroSDカードや通常サイズのSDカード、USBメモリ、SSDなどのフラッシュメモリ系のメディアに多く存在します。製造国は主に中国であり、大手ネット通販サイトにも販売されています。容量偽装メディアは通常製品に比べ破格と言っていい程格安で販売されており、値段に魅力を感じ購入する人が後を絶ちません。

こういった容量偽装メディアはデータ消失や破損等の不具合を起こす可能性が高く、やっかいなことにデータ復旧が困難な事例も多くあり注意が必要です。

容量偽装の手法

容量偽装メディアは購入者を誤魔化すため、システム的に巧妙な隠ぺい策を取っている製品も多くあり、購入者からは偽装されているのかどうかわからないような物も多くあります。偽装手法が稚拙な場合は、例えば128GBと印字しているが中身は32GBのフラッシュメモリであり、パソコンなどに挿せばドライブは32GBしか表示されず一目で詐欺商品とわかります。

しかし、偽装手法が巧妙な場合はファームウェアやシステム情報を書き換えて実際には32GB分の容量しかないのにパソコン上では128GBと表示されるようなものもあります。この場合は一見して詐欺商品とはわかりません。

容量偽装メディアのデータ復旧は不可能な場合がある

容量偽装メディアを使用する上で注意しなければならないのは、データトラブルが起こった際のデータ復旧が不可能または極めて困難なケースがあることです。容量偽装メディアを使用したことで記録されていた写真や動画データなどが消えたり、破損したり、撮影したはずなのにデータが保存されていなかったなどの不具合が発生することがありますが、こういったケースの場合データ復旧が困難もしくは不可能なケースが多いです。

何故なら、容量偽装メディアは実際容量が少ないため実際容量以上のデータを保存することはできず、表面上は記録完了となっていても実際にデータが存在しないからです。データ復元はデータが表面上消えてしまっても元データを解析してファイルとして再構成します。よって、元データが存在しない場合はデータ復旧することができません。保存したと思っていても実際保存されていない場合はデータ復元は不可能ですので、容量偽装メディアのデータ復旧が不可能なケースも多くあります。こういった事象は長時間動画撮影をしているケースなどで多く発生します。

Sandiskやトランセンドなど大手メーカー製品も要注意

microSDカードなどフラッシュメモリの大手メーカーであるSandisk(サンディスク)やTranscend(トランセンド)の製品なら安心と思っている人もいますがその考えは危険です。容量偽装の詐欺製品はこういった大手メーカーのパッケージをコピーしているものも存在します。特に海外パッケージのものは要注意です。

容量偽装メディアに騙されないためには

上述の通り、容量偽装メディアはデータ消失の危険性が高いため使用しないことが一番です。購入したメディアが容量詐欺なのかどうか使用前にしっかりとチェックする必要があります。容量偽装メディアを避ける方法や見分け方を以下に紹介します。

相場よりも明らかに安い製品は要注意

microSDカードやSSDなどの記憶媒体は容量・読み書き速度などで料金相場がある程度形成されています。その相場価格より明らかに安すぎる商品は容量詐欺商品の可能性が高くなります。例えば、価格相場が1万円の製品が2千円で売られているなど、明らかに価格相場より格安な製品は注意すべきです。購入前に口コミなどを確認し、本当に容量詐欺ではないのか確認するべきでしょう。

海外パッケージ製品は避ける

容量偽装メディアは海外パッケージ版に多く存在します。microSD・SDカードなどの記録装置は国内パッケージ版と海外パッケージ版があります。通常、国内パッケージ版よりも海外パッケージ版の方が割安であり、通販サイトの格安製品は海外パッケージ版であることが多いです。

トランセンドやSandiskなどの大手メーカーでも海外パッケージ版は容量詐欺メディアである可能性があるので注意が必要です。

容量偽装チェックツールを使う

購入した製品が容量偽装なのか、故障していないかを使用前にチェックすることをおすすめします。どのようにチェックするかというと、メモリ内の各セクタへの読み込み・書き込みを行うことで仕様通りの容量であるか、速度はどの程度かを図ることができます。そのようなチェックを行うフリーソフトなどのチェックツールがありますので簡単に調べることができます。容量偽装チェックツールとして使えるフリーソフトは「Check Flash」などがあります。

データ消失による損失を防ぐために

データ消失による損失を防ぐためには、容量偽装メディアを使用しないことが一番です。または、無くなっても構わない重要度の低いデータの保存先として使用することです。上記の通り、容量偽装メディアのデータ消失は、そもそもデータが保存されていないケースがあるためデータ復旧が不可能な場合があります。失っても構わないようなデータなら問題はありませんが、家族写真など他に替えられない重要なデータは保存するべきではありません。どうしても使用しなければならない場合は、頻繁にバックアップを取るべきです。

万一、容量偽装メディアを使用したことによりデータが消えたり、破損してしまった場合は専門のデータ復旧技術者へ相談されることをおすすめします。