エアコン工事の際、エアコン用電気回路を100vから200vへ切り替える電気工事を行うことがあります。その際、他のコンセントへも200vの電圧がかかり、パソコンや外付けHDD、HDDレコーダーなどがショート故障を引き起こす事例があります。データ復旧センターにはそのような事例によるデータ復旧サービスのご依頼が夏場になると多くなります。
このような故障事例を引き起こす主な原因は、エアコンと一般的な家庭用電子機器の動作電圧が違うことが根本的な要因です。エアコンは200vで動作するタイプがあり、家庭のコンセントが100vまでしか対応していない場合、200ボルト対応エアコンを設置するためには200vへ電圧を上げるための電気工事が必要となります。
エアコン専用のコンセントには本来、エアコン専用の電気回路が設置されていますが、他コンセントへの回路と共有になっている場合があります。共有電気回路の場合、200vの電圧が一般用のコンセントにも流れてしまい、そこに接続されていたPCやBDレコーダーに過電圧による電気的故障(ショートなど)を引き起こす場合があります。一般的な家庭用電子機器は100v環境での動作を行うためにそのような事故が発生してしまうのです。
過電圧によるショートは正常な導通を不可能とするため、瞬間的に故障し以後は起動することができなくなり、パソコンなどに保存されていたデータへもアクセスができなくなります。
通常、電気工事業者が事前にエアコン用電気回路と他の回路が共有状態となっていないか確認しますが、確認漏れや判断の間違いとなっている場合がありますので必ず確認してください。
そして、念のため工事中はパソコン・外付けHDDなどのデータメディアをコンセントから抜いておくことをおすすめします。万一に備え、重要データは事前にバックアップをとっておくことも大切です。
また、工事後は念のため一般家庭機器が正常動作するかチェックするため「データメディア以外の故障してもさほど問題とならない家電製品」を試験的に動かしてみるのも対策の一つです。
過電圧でのデータ機器故障が発生した場合、データ復旧を行うためには専門的な技術と設備が必要となります。誤った対処法を実行すると、障害状況が悪化しデータ救出が極めて困難となる場合があります。
万一、エアコン工事でデータ機器が故障した場合は速やかにコンセントから抜き、一切の操作を行わずに弊社技術担当まで御連絡ください。